嶋中先生寄稿ありがとうございました。スタッフ一同当日の努力と工夫が報われました。
(なお、嶋中節落語調ブログにも、この集まりの様子が描かれています。こちらもあわせてご笑読ください→→→)


 去る5月19日、南千住の「カフェ・バッハ」3階で、《パナマ・ゲイシャの多様性と可能性を楽しむ》会が催された。
 会場にはパナマ3大農園と呼ばれるエスメラルダ、ドンパチ、ママカタだけでなく、ベルリナやロス・ラオネス、今年が初収穫だったという新参のアウロラ農園のゲイシャも出品されていた。
 精製法もウォッシュト、ナチュラル、ハニー(パルプド・ナチュラル)と3種類用意され、それぞれの特性を比較できるように工夫されていた。9つのゲイシャに3つの精製法。これほどスケールの大きなカッピングセレモニーはほとんど前代未聞だろう。
特別寄稿「バッハにてパナマ芸者と遊ぶ」文:嶋中労


 去る5月19日、南千住の「カフェ・バッハ」3階で、《パナマ・ゲイシャの多様性と可能性を楽しむ》会が催された。
 会場にはパナマ3大農園と呼ばれるエスメラルダ、ドンパチ、ママカタだけでなく、ベルリナやロス・ラオネス、今年が初収穫だったという新参のアウロラ農園のゲイシャも出品されていた。
 精製法もウォッシュト、ナチュラル、ハニー(パルプド・ナチュラル)と3種類用意され、それぞれの特性を比較できるように工夫されていた。9つのゲイシャに3つの精製法。これほどスケールの大きなカッピングセレモニーはほとんど前代未聞だろう。
 出席した顔ぶれもすごかった。雑誌記者たちにまじって『スペシャルティコーヒー大全』にも登場した滋賀医科大学の旦部幸博氏に辻静雄料理研究所の山内秀文氏。お二人は稀代のコーヒーフリークとしても知られる超うるさ型の論客である。それにワインのエキスパートまで加わっている。はたして彼らがどんな感想をもらすか、興味津々である。
 バッハ方式で行われたカッピングは粛々と進められていった。ゲイシャは2004年の「ベスト・オブ・パナマ」にて彗星のごとく登場したスペシャルティコーヒー界のスーパースター。「レモンジュースのよう」と形容される柑橘系の明るい酸味が特徴だ。
 もともとパナマ産のコーヒーは高品質ながら「個性に乏しい」と評されていた。その定評をみごとにくつがえしたのがこのゲイシャである。今やパナマのコーヒーには「個性豊かな」という形容が定着しつつある。ゲイシャ・パワー恐るべし、である。
「エスメラルダのゲイシャはタンニンというかボディが強いな。どっちかというとエチオピア・シダモ系の香りがする」
「そうだね。一方ドンパチのそれは明らかにイルガチェフ系の香りだ」
 などと、農園による香味の違いなどが次々と浮き彫りにされてゆく。さらに、
「ママカタとドンパチのナチュラルはまったく味が違うな」
などという意見も飛び出した。
 ドンパチのナチュラルは、一部発酵が入りかけていて、それがフローラルな香りに結びついたのか、かなり個性的な味に仕上がっている。その点、ママカタのナチュラルはやや個性が弱い。
 またリムーバーを使った「エコ・ウォッシュト」の精製法が話題にのぼったり、かつて発酵臭とされた香りがなぜ今プラス評価されているのか、といった難問も飛び出してきた。こうなるとかなり専門的で高度の知識と経験が要求される。ボクはもう話に随いていけない。
 カッピングの後に、ちょっとサプライズな試みがあった。ゲイシャのコーヒーゼリーとギシルコーヒーにも似た「カスカーラ」という飲料が供されたのだ。これは完熟したコーヒーチェリーをアフリカンベッドで天日乾燥させ湯で煎じたもの。ハチミツのような甘みと各種柑橘系の酸味が入り混じっている。なんとも複雑な味わいだ。ゲイシャではないが、エンポリウム農園産の完熟コーヒー果肉が使われているという。
「これが一番うまいや」
 と冗談交じりに言ったら、参加者たちの失笑を買ってしまった。あな恥ずかし。 
2012.05.22 / Top↑
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